子どもの自立 家族の中で 園長 佐 竹 和 平
「いちどあったらともだちで、まいにちあったら きょうだいだ♪」もう、30年近く前のおかあさんといっしょの始まりの歌です。週末を除いて原則平日は毎日会うのが幼稚園です。子どものみならず保護者も顔をあわせます。我が子以外にも毎日会うことにもなります。兄弟、親子、家族というと大げさに感じるかもしれませんが、幼稚園を大きな家族のようなものと考えています。
私は男ばかりの7人兄弟で育ちました。7人もいると、気の合う兄弟も、合わない兄弟もいます。尊敬する兄弟もいます。幼稚園が家族だといってもみんなと気があって、気分良く過ごせるとは限らないかもしれません。でも、多くいる家族の中から気の合う人を見つけて、その気の合う家族と会えるのを楽しみに登園してきていただくのも子どもにも親にも良いかと思います。
入園式を前に改めて考えたことがあります。幼稚園の入園式とは子どもが自立して生きて行くことへのスタートラインであるということです。今まで、集団生活をしてきていない子どもの場合、基本的には絶えず、子どもは親と一緒にいます。子どもが親のいないところで遊ぶ、ご飯を食べることなどありませんでした。幼稚園という場所では、子どもは朝、親と登園してきて、教室に入ればもう、親とは降園のときまで離れ離れです。親から自立して、集団の中で生活していかなければなりません。親から自立と言っても一人で何でもできるわけでもないですから、親の代りに先生やお友達、年長児の支援を得ながら生活をしていきます。
親から離れての生活では自分自身で判断しなければならないことがたくさんあります。一つひとつを自分で判断し、失敗も繰り返しながらでも行動していけるようにならないといけません。周りには協力してくれる人、優しくしてくれる人、教えてくれる人ばかりとは限りません。嫌なことを言う人や怖い人、理解してくれない人もいます。それが現実の社会です。その現実の社会に一人で出て行くまでには色々な経験をしていく必要があります。そのスタートが幼稚園となります。
ドレーパー記念幼稚園では子どもが安心して生活する中で、少しずつ自立をしていけるように、子どもたちの成長を導いていけるよう教職員一同協力して務めていきます。
コロナ禍もあって、以前より、保護者同士のコミュニケーションが薄まった感があります。幼稚園には有志によるサークルもあります。保護者同士もコミュニケーションを取れるように、お互い、声を掛け合い、気分良く幼稚園で過ごせるようになると良いかと思います。