園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2015年 8月 隣人愛

隣人愛            園長 佐 竹 和 平 

 その話は何度となく聞いていたし、何度も読んでもいて、自分も話をしたことがあったし、すっかり理解していると思っていたが、実はまったく理解していなかった。何のことかというと新約聖書ルカによる福音書の10章にでてくる「善いサマリア人」の話し。道端に強盗にあって死にかかっている人がいたが誰も近寄って介抱しようとはしなかったが通りかかったサマリア人は自分の持っているお金を使ってまでその人を助けようとしたという話し。この前段では律法学者がイエスに問うのです。「いかにしたら永遠の命を受け継ぐことができますか?」と。その答えは律法学者自身も知っていたことです。「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、神である主を愛すること。そして、隣人を自分のように愛すること。」私はこの“自分のように”を軽視してこの聖書個所を解釈していたことに気づいたのです。

 ドレーパー記念幼稚園はキリスト教主義を掲げる幼稚園です。イエスキリストの教えを持って幼子の成長を導いて行く幼稚園です。園長の私は子どもたちには「お友だちと仲良くしましょう」「困っている人がいたら助けてあげましょう」という言葉でイエスキリストの教え、隣人愛に基づいた行動を子どもたちに促しているものです。
 
 このたび、この「困っている人がいたら助けてあげましょう」を園児への声掛けだけでなく、保護者の皆様への声掛けともさせていただくことにしました。すでに、保護者の皆様はお互い、子を持つ親通し助け合っての子育て、幼稚園生活を送られていることと思います。幼稚園としても保護者の皆様への支援はしてきたつもりでおりますが改めて、今まで以上に一歩踏み込んで保護者の皆様が抱えている「困っている」ことに対する助けをできる幼稚園になりたいとの思いです。保護者の抱えている困っていることを自分の困ったことのように受け止め、何ができるかを考え行動していきたいとの思いです。自分、家族、お友だちとで解決できる困ったことは可能な限りその範囲で解決の努力をしていただきたいです。しかし、努力しても解決できないもので幼稚園の助けによりその困ったことが解決できるなら幼稚園としては喜びを持ってその困ったことの解決にご協力させていただく所存です。どうぞ、幼稚園教職員にご相談ください。
 
 いよいよ2学期も始まります。子どもたちの幼稚園での生活も深まって行きますし、保護者の皆様の活動もバザーなどもあり活発になっていくことでしょう。子どもたちの成長が豊かに導かれ、保護者の皆様の活動が実り多きものとなるよう教職員一同が力を合わせて参ります。