園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

9月

 アンパンマン      園長 佐竹 和平

 ドレーパー記念幼稚園には過去、1人だけ男性の保育者がいて、クラスの担任も務められていました。名前は森田裕明先生。同郷の師でもある、当時の鈴木園長を頼ってこの幼稚園に就職しました。

幼稚園で働いているうちに、日々接するキリスト教への思いが強くなり、牧師の道を新たに目指すようになり神学校に通い牧者としての学びも深めるようになるのでした。この森田先生は現在も牧師として、また横浜にある幼稚園の園長としてお働きになられています。

 今年はこの森田先生が日曜日の子どもの教会の説教、主日礼拝の説教をを月に1回程度担ってくださっています。先日の子どもの教会ではアンパンマンの絵を掲げてこんなことを言い出されました。

 「アンパンマンは何歳だと思いますか?アンパンマンの元になった人物を知っていますか?」と。答えは「アンパンマンは50歳で、アンパンマンの元はイエスキリストです」と。作者のやなせたかしさんはクリスチャンで、イエスキリストをイメージしてアンパンマンを作成したとのこと。ちょっと驚きました。

 お話を聞いたあと気になってネットで調べてみると、やなせたかしさん自身がそのこと をはっきりと言っているわけではないのですが、確かにイエスキリストとアンパンマンはずいぶんと重なるところがあります。自分自身の頭(パン)を、困っている人、お腹の空いている人のために差し出すという行為。自己犠牲を厭わずに他者のために自分の命を捨てる覚悟、まさにイエスキリストの姿です。

 このアンパンマン、最初に登場したのはもう、50年も前になります。デビュー当初は大人向けのメルヘン童話で、顔は普通の人間の顔をしたおじさんだったと。その後、小学生対象のキャラクターに設定を変えていったが、アンパンマンは人気が出ません。かっこよくないし、強くもないヒーローは小学生には受け入れられないのです。しかし、その弱さ故、やさしさ故か幼児に人気が出始め、定着していったのでした。なんでも、自分の身、自分の頭(パン)を困っている人の為に差し出せるのは、必ず、替わりにジャムおじさんがパン(頭)を焼いてくれるのを信じているからなのだと。こういうところも復活のイエスキリストに通じるものがあります。

 「困っている人がいたら助けてあげましょう。」「お友だちとなかよくしましょう」この二つは園長の私が子ども達の前でよく言う話ですが。アンパンマンとからめてお話ししたらもっと理解が進むかもしれませんね。