園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2018年 12月

ありがとうございました 角田敏太郎さん          園長 佐 竹 和 平 

 幼稚園設立の発案者である大塚平安教会会員の角田敏太郎さんが11月29日に86年の生涯を終え、天に召されました。この機会に角田さんを覚え、記しておきます。

角田さんは昭和23年、16歳の時に勤務中に重体となる事故にあいます。何と機関車に引きずられてしまったのです。入院、手術を経て職場復帰をするも、身体障害の身となり、歩行が困難となりました。将来に対する不安を持ちながら日々を過ごしていました。そのような不安を抱えている中、昭和27年、19歳の時に勤務先の厚木駅で見ず知らずの若い女性から「駅員さん、あなた教会に行きたいのではありません?」と声をかけられました。翌日、その女性の案内で厚木基地の中にある教会に出席したところ、説教も讃美歌も英語でよく分からない。よくわからないけど、愛情に満ちた優しいソフトな雰囲気の教会に感じるところがあり、日本の教会を紹介してもらい大塚平安教会に来るようになったと角田さんの著書「神に牽引されて」に記されていました。

 

 その角田さんが大塚平安教会に導かれ、イエスキリストの福音、互いに愛し合うこと、困っている人がいたら助けることをを多くの人に伝えるために幼稚園を設立すべきと訴えたのです。今の大塚平安教は多くの信徒がいて立派に見えるかもしれませんが、当時の教会は礼拝に出席する人は13人の小さな群れでした。教会自体は小さな小屋のようなものでした。幼稚園を造るような土地もありません。資金もありません。そのような小さな群れ、弱気群れが幼稚園を設立し、現在に至っているのです。その発案者の見識と原動力に多いに感謝せざるを得ないのです。

 病まなければ ささげ得ない 祈りがある

 病まなければ 信じ得ない 奇跡がある

 病まなければ 聞き得ない み言葉がある

 病まなければ 近づき得ない 聖所がある

 病まなければ 仰ぎ得ない 御顔がある

 おお! 病まなければ 私は人間でさえあり得ない    河野進「病まなければ」

 

 人はこの世に生を受けて時が来れば必ず死を迎えます。その過程においては病や苦難、逃れることの出来ない絶望の窮地があります。しかし、そのような中にあっても、神様の救いは必ずあると角田さんはその本の中で訴えておられます。

 12月、クリスマスです。イエスキリストは多くの悩める人、苦しんでいる人を救うために神様からこの世に使わされました。その誕生を祝うのがクリスマスです。この喜びを一人でも多くの人と分かち合えるようにと願っています。

 

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前列、一番左の男性が角田さん。定礎の石板を持っておられるのが初代園長、乙幡和雄先生、その右にて赤ちゃんを抱えておられるのが乙幡義子先生。

後列、左端の男性が現園長の父(佐竹正道(故人))。

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幼稚園園舎落成式記念の日