園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

12月 賛美

                      園長 佐 竹 和 平 
 
改めて考えて見ると体全身を使って登るような場所は園庭にも近所の公園にも無いので子どもにとっては大いに刺激になるのであろう。年長の教室と階段にロフトを作ってみた。園庭にはボルダリングと階段梯子で登るボックスを作ってみた。登るのが好きな、挑戦することが好きな子どもたちの姿がみられた。

 「感覚統合」という言葉があって、私たちはいくつもの感覚を持っていて、それを統合させて日常の生活をしていることになっています。脳に送られてくる様々な情報を必要な物と不要な物に整理し、関連づける作業、統合した結果が私たちの日常の動作と言うことです。道を歩いていて目の前に石ころがあるとする。石ころは目の前以外にもいくつもあるが、目の前の石は情報としては大切な物で、そのまま踏んでもいいか、避けるか判断しなければならない。判断した結果、足の着地点を石を踏まない場所に少しずらす作業を行っているのです。

 乳幼児はこの感覚統合を発達させる段階です。そして、登る、降りるの際には一生懸命、感覚統合をしているのです。手をどこにかけたら良いか、その次に足はどこに持って行けば良いか。その次の手は、足は・・と様々な情報の中から今自分に必要な情報を取捨選択して、体を動かすのです。最初は登れなかったのに、何度か挑戦したら登れるようになったということは、感覚統合を上手く行えるようになったということなのです。

 この感覚統合という作業はとても大切なことで近年では感覚運動遊びという表現もなされるようになって、子どもたちの成長を促す視点の一つになっています。子ども自らがやりたいという気持ち(主体性)を持って行う全身を使った楽しい遊びを通じて自分に今必要な情報は何かを選択しつつ、体を動かす。上手くいけば達成感が得られ、出来なかった際には次には出来るようになろうという意欲を持つようになるのです。
 
 12月のカリキュラムのテーマは「賛美」となっています。ドレーパー記念幼稚園ではクリスマスの礼拝と共に全園児で取り組むページェント(聖誕劇)があります。神様が私たちを救うために、私たちに平和をもたらすためにイエス様をこの世に贈ってくださいました。そのことを喜び、感謝するこのページェントは聖歌隊による賛美により劇が進み、最後には全員で声高らかに「もろびとこぞりて」を賛美します。子どもたち保護者の皆様と共に神様が私たちに下さったイエス様の誕生クリスマスを期待を持って迎えたいと願っています。