園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2020年 12月

子どもの幸せ                 園長 佐 竹 和 平 

 ユニセフが9月に発表した今年の「先進国の子どもの幸福度ランキング」では日本は38カ国中総合20位でした。このランク付けには3つ項目があります。日本は「身体的健康」1位、「スキル」27位、「精神的幸福度」37位でした。スキルの分野では数学・読解力で基礎的習熟度に達している15才の割合が全体で5位なのですが、社会的スキルが37位と低く、スキル総合で27位となっています。社会的スキルの中では友だちを作るのが苦手と答えた子どもが多かったようです。その人の個性や環境にもよるので、一概には言えませんが、何かこの答えの中には「いじめ」「差別」「貧困格差」のような子どもを取り巻く環境の生きにくさがうかがえます。一方で幼児期、学童期に人との関わりの中で学んでいく社会性を身につける機会を大人社会が喪失させた結果のようにも感じられます。精神的幸福度は生活全般への満足度を10点満点で6点以上と答えた子ども(15才)が62%で、この数字が低く37位となっています。結果を端的にまとめると日本の子どもは身体的には恵まれていて、勉強はできるけど、友だちを作るのが苦手で、生活に不満を抱いている子どもが多いということです。非常に残念な結果ですが、今の子どもたちの姿を現わすレポートです。

 このような現実を思うと、目の前にいる子どもが自分は幸せだと思って日々を過ごし、成長していって欲しいと願わざるを得ません。そのためにできることは家庭にあってはお子さんとの時間を大切にすること。一緒に遊び、一緒に食事をし、会話を楽しむ。健康的な生活習慣を身につけるようにする。幼稚園では子ども自身が主体的に遊び、その遊びに没頭できるような環境をつくること。遊びを通じて社会性、人と人との交わりを学んで行けるようにすることです。家庭でも幼稚園でも子どもが安心して生活ができ、楽しいと思って日々を過ごす中で子どもの自己肯定感、満足感が高まっていくのです。

 12月となり幼稚園ではページェント、クリスマスに向けての活動が始まります。クリスマスは神様が私たちに下さった最高のプレゼントであるイエスキリストの誕生を喜び、祝うものです。それと同時に神様がイエス様を通じて世の人々に伝えたかったことを学ぶときでもあります。神様はご自分がつくった地上に住む人々の心が荒れすさんでいるのを悲しみ、自分の独り子イエスキリストをヨセフとマリアを通じてこの世界に贈ってくださりました。それはイエスキリストが救い主となって荒れすさんだ世の中を良くしようと神様が考えたからです。そのイエスキリストが人々に伝えたのは「神を愛しなさい」「隣人を自分のように愛しなさい」という教えなのです。

 神様、イエス様の思いを子どもたち、保護者の皆様と共有しあいつつクリスマスを迎えたいと願っています。