園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2017年 3月 希望 

                    園長 佐 竹 和 平 

2月から3月にかけて園長会食が行われました。卒業を控えている5名の年長さんが園長の部屋に来て一緒にお弁当を食べます。幼稚園での出来事、みんなの好きなものなどの話をして楽しく過ごします。
ある日の会話・・恋の話が盛り上がった流れで・・

園長 「A君は大人になったら誰と結婚したい?」
A君 「俺はB君と結婚する!」 (B君・・苦笑い・・)
C君 「俺は鉄棒と結婚する!」 (鉄棒が得意な子なのです)
B君 「鉄棒は冷たくね!?」 (たしかに・・ひやっとします)
園長 「だったら・・こたつと結婚したらいいんじゃない?」(良いこと言ったつもり・・)
B君 「こたつは夏はじゃまでしょ! エアコンが良いよ」(確かに・・・)
C君 「じゃあ 俺、エアコンと結婚する!」 (納得しちゃった・・)

空想、想像と現実を織り交ぜにして物事を考えられるのは、この時期の子どもが持っているとても素敵な能力で、残念ながら大人になるとこのような能力は失われていってしまいます。こんな素敵な、楽しい子どもの声をしっかり聴き取っていきたいと思います。

「根っこを育てる幼稚園」という表現を使わせていただいています。根っこがしっかりと育ってないと、後で伸びることが出来ない、花を開き、実をつけることができません。花や実のことを焦って考えすぎずに、幼稚園ではこの根っこをじっくり、大切に育てますよという思いです。この“根っこ”とは何かというと教育的用語としては“自己肯定感”ということになります。自分は自分で良いという考えを持てるようになるということです。この自己肯定感を育むのに必要なことは子どもの話を聞いてあげることです。もっと言うと〝聴き取る″ことです。自分の言うことを聴き取ってもらとうれしいです。聴き取ってもらうと、もっと表現しようとしますし、人の話しも聴くようになるのです。聴き取ってもらうと、自分が愛され、大切にされていると知るようになるのです。保育者、保護者が子どものためにやるべきことは子どもの言うことを聞き流すのではなく、聴き取ることが大切なのです。

今年度最後、3月のカリキュラムのテーマは「希望」となっています。希望とは信じることです。どんな状況にあっても大丈夫と信じることです。信じることができる自分になるために必要なことは自分が神様と人に愛され、神様と人を愛してきた経験と実感です。年長さんは幼稚園を卒業し小学生になります。年少、年中さんはそれぞれ進級します。
4月から新しい環境になります。最初は不安、戸惑いもあるでしょう。でも、大丈夫です。この一年でみなそれぞれの根っこが育ちました。
家族、友だち、保育者、神様に愛されて育ったこの一年です。希望に満ちあふれた子どもたちが目の前にいます。この時を共に喜び合えることに感謝です。