園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2022年 6月

根っこを育てる                  園長 佐竹和平

 数年前からホールでも鉄棒ができるようになり、体操指導の成果もあって、鉄棒の上手な子が非常に増えている。「さかあがりできるから!見て、見て!!」と子ども達の大きな声。できる自分の姿を見てもらいたい、こういう純粋な子どもらしい姿に接することができるのがとてもうれしいです。

 自分のできることを誰かに認めてもらいたいという思いは「承認欲求」です。子どものみならず、大人にもあります。大人はなかなかこの承認欲求を現すことがことができずに、自分がどう評価されているか不安になったりもします。子どもは、純真なもので、ストレートに承認欲求を満たそうとします。この欲求が満たされると、とても満足感があり、精神的にも落ち着いた状態になります。

 ドレーパー記念幼稚園では「根っこを育てる幼稚園」という表現を使わせていただいています。根っこがしっかりと育ってないと、後で伸びることが出来ない、花を開き、実をつけることができません。花や実のことを焦って考えすぎずに、ドレーパー記念幼稚園ではこの根っこをじっくり、大切に育てますよという思いです。この“根っこ”とは何かというと教育的用語としては“自己肯定感”ということになります。自分は自分で良いという考えを持てるようになるということです。この自己肯定感を育むのに必要なことは、子どものことを認めてあげることです。子どもの承認欲求を満たしてあげることです。子どもの話を聞いてあげることです。子どもの姿を見てあげることです。今、この幼児期にこのことを理解し、子どもと丁寧に向き合うこと、根っこを育てることを心がけていきましょう。

 今月のカリキュラムのテーマは「探ってみる」です。幼児の生活には探ることが一杯あります。アリやダンゴ虫はどこにいるか。自分にあう遊びは何か。砂場に水をためても無くなってしまうのはなぜか。友達ができるのに私ができないこと、どうやったらできるようになるか。そういう、子ども自身の探っている姿を大人が邪魔をしないで、より深い探りに導けるような環境を造っていくことを大切にして6月を過ごしていきましょう。