園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2020年 6月

愛の中で育つ                   園長 佐 竹 和 平 

 本来なら、今頃は平和の祭典とも言われるオリンピック開会に向け、海外から多くの人が来日し、多くのイベントで盛り上がり、世界中の人々がオリンピックを通じて一体感を感じるといった経験をすることができたはずでした。

 しかし、今年のオリンピックは開催中止となりました。平和の祭典どころか、今や世界を見渡すと、国家間の言い争い、人種差別によるデモ、暴動など目を覆いたくなるような惨状です。国籍や人種に関わらず鍛え上げられた肉体、精神力、チームワークなどに賞賛が贈られるはずだったこの時期に、世界は反対の方向に向かっています。

世界の平和のために祈りを合わせましょう。

 家庭内でも長期間の外出自粛やテレワークなどで家族が家にいる時間が増えたことによって虐待やDV、家族間同士の争いなどが増えているとのことです。大人が精神的に疲弊し、疑心暗鬼になり、責任を他者に押しつける。自分の子どもすらも許せなくなっている親もいるようです。子どもたちの安心、安全な生活が守られるよう祈ります。

 聖書には「あなたがたは神に愛されている子どもです。(エフェソの信徒への手紙5章1節)」と記されています。ここにある「子ども」というのは年齢的に未成年の子どもという意味ではなく、創造主である神様に命を与えられた人間という意味で、子どもに限らず大人も含まれます。自分の子どもに限らず、自分自身も周りの人もみんなが神様に愛されている大切な存在なのです。性別や年齢、国籍や人種、肌の色、人の持つ能力や個性、財力に関係なくすべての人が愛されるために生れてきた大切な存在で、一人ひとりが尊重されるべきとの価値観がここにはあります。この価値観がない世の中だと、生きるのが苦しくなる人が多くいることに心を留めたいと思います。

 子育ては時に大変な時もあります。子どもの成長に不安を感じるとき、自分自身の子育て手法、子どもとの接し方に疑念を抱くときもあるでしょう。そんなときには、人は神に愛されている大切な存在であることを思い出して欲しいと思います。愛の中で子どもを育てることを思い出して欲しいのです。

 いよいよ、ドレーパー記念幼稚園の2020年の幼稚園生活が始まりました。先行き不透明ではありますが、与えられた環境の中で、1日1日を大切に過ごせるよう教職員一同が力をあわせて参ります。