園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2021年 6月

 共に喜ぶ                   園長 佐 竹 和 平 

 ドレーパー記念幼稚園が所属していますキリスト教保育連盟の2021年度の年主題は「共に喜んで~すべての歩みの中~」となっています。この年主題が導かれる聖書の言葉は「一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです。(コリントの信徒への手紙Ⅰ12-20)」とあります。一つの部分とは一人ひとりの存在ということでしょう。苦しんでいる人と共に苦しみを分かち合いなさい。そして、共に喜び合うためには一人ひとりの存在を尊重しなさいということのようです。

 長引くコロナ禍によって、思うようにできないことも多くあります。ストレスがたまり発散できずにいます。人々の心が疲れています。個性の多様化が表出してきている一方でその多様性を認めるのに困難さを覚えている時代性もあります。一人ひとりの個性があるのに、その個性を認めないように、みな同じようにしていかなくてはならないような文化がいまだにあるのも現実です。このような時だからこそ、強い部分、弱い部分も含めてお互いの個性を認め合い、尊重し合い、共に喜ぶことが大切であるというメッセージです。副題として「~全ての歩みの中~」とあります。それは、良い時もある、嫌なときもある、喜べないような時もある。そういう全てのことも含めて「共に喜んで」欲しいとの願いです。

 子どもを育てる過程において、親の不安や悩みは尽きません。子どもがいくつになっても、親としては子どものことを気にかけ、その人生を心配するものです。また、親として子どもに願うことは、その場面場面で限りなくでてきます。楽しいとき、喜び、笑い合えるときはとてもうれしいものです。しかし、辛く、涙するときもあるでしょう。なぜこのようなことになるのか、なぜこんな辛い思いをしなければならないのかと。親であれば、子どものことで、悲しみ、苦しみと不安の中で眠りにつく経験はだれもがするでしょう。不安や悩みの中にいるのは親だけではありません。子ども自身がまさにその中にいる場合もあります。

 いつも喜んで、楽しく、幸せに過ごしたいと誰もが願います。しかし、残念ながら現実には苦しく、辛いときもあります。そのようなときに聖書に励まされるのがキリスト教なのです。苦難の時にこそ神様は必ず私たちと共にいてくださる。私たちの世界を創造された神様は私たちを愛しておられる。だから、今置かれているこの不安、悲しみの先に必ず神様は喜びをもたらしてくださると希望を持って生きていきましょう。