園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2015年 12月 うれしい

 うれしい           園長 佐 竹 和 平 

 人間が持つ二面性には“憎”と“愛”があると学んだ。憎とは偽り、おごり、たかぶり、そねみ、ねたみ、憤り、怒り。一方の愛とは理解すること、信頼すること、支え合うこと、分かち合うこと、寛容であること、正義を愛すること、そして許し合うこととのこと。
考えてみると、人間が持つこの二面性の中で人はあっちに行ったり、こっちに行ったりし、悩み、苦しんでいるのが実際なのだと思う。人は自分自身も、自分の子どもも、他の人より幸せに、他の人より豊かにと願ってしまうもので、不幸な人を見れば、この人よりまだ私は良い方だと勝手に思い、自分を慰め、納得させたりもする。“憎”である。これをキリスト教では人間が持つ「罪」と言う。私はこの人間が持つ「罪」を少しでも軽くするために日曜日には教会に行き、礼拝を通じて神の「愛」を学び、何とか、少しでも憎(罪)より、愛の多い日々を過ごすようにしています。

 新約聖書のペトロの手紙Ⅰには「皆、心を一つに、同情し合い、兄弟を愛し、憐み深く、謙虚になりなさい。悪を持って悪に、侮辱を持って侮辱に報いてはなりません。かえって祝福を祈りなさい。」と記されています。再記します。愛とは理解すること、信頼すること、支え合うこと、分かち合うこと、寛容であること、正義を愛すること、そして許し合うことです。

 12月、罪多い人の世に愛を広めるために神様がイエスキリストを私たちに贈って下さったクリスマスの時です。幼稚園ではクリスマスには全園児でページェントを演じます。最初の場面はマリアのところに天使が現れ、子どもを授かっていることを告げる場面です。マリアは困惑します。まだ結婚もしていないのです。しかし、マリアは「かみさまの みこころの とおりに なりますように。」と天使のお告げを受け入れるのです。神を信頼し、神に委ねるこの勇気を私たちはこのクリスマスの時期に改めて思わされます。

 保護者の皆さんはすでに神様からの宝物であるお子さんをそれぞれが授かっています。お子さん一人ひとり、それぞれが神様からの役割(賜物)を与えられてもいます。子どもは親の思い、保育者の思いを受けつつ、しかし、子ども自身はその自分自身が持つ成長する力、賜物によって育っていきます。親としては思い通りにならないと思うことも多くあるかもしれません。でも、それは、その子が神様からいただいているその賜物をまだ私たちが理解していないからなのかもしれません。

 子育てではやれること、やるべきことをやっても上手くいかないことも多くあります。そんな時は、このクリスマスでのマリアを思い出して欲しいのです。マリアの様に神を信頼し、神に委る勇気を周りにいる大人が持てたら、子どもにとってどんなにうれしいことでしょう。

 子どもたち、保護者の皆様とともに今年も素敵なクリスマスを迎えることが出来る喜びに感謝します。クリスマスおめでとうございます。