園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2011年 10月 みんながいるからできること

みんながいるからできること        園長 佐竹和平

 練習の時には楽しそうに踊れていた子も本番の運動会では固まって動けなくなってしまう子もいたけどかわいかったひよこ組のダンス。円になってお友だちの顔を見ながらうれしそうに踊っていた年中のゆり組、ばら組のダンス。隊形移動が難しかったけど本番ではびっくりするほど上手に踊れていた星組のダンス。それぞれのクラスがその年齢にふさわしい成長が導かれていることがわかる運動会のダンスで、どれも素敵な発表でした。

 ダンスでは親子のダンスもありました。「ふたりでできること」というものを親子で行っていただきました。この歌詞の通り、一人で出来ることもありますが、二人いないと出来ないことが世の中には沢山あります。走るのは一人ででも出来ますが、かけっこは一人では出来ません。玉入れも、リレーも、保護者の皆さんが盛り上がった綱引きも一人ではできません。運動会などの種目にある競いうあうことは一人では出来ないのです。また、競うの反対の仲良くする、協力しあうことも一人では出来ないことです。年長の星組が最後に披露してくれた組み立て体操。最初は一人で出来ること、それから二人でできること、三人でできること・・どんどん増えていって、最後はみんながいるからできること、みんなで協力しあっての富士山となったのでした。

 幼稚園は集団での学びを通じて子どもたちの成長を導く場所です。家庭とは明らかに違う役割が幼稚園にはあるのです。家庭でできることは家庭で行って頂き、幼稚園は幼稚園でしか出来ないような体験を子どもたちに沢山させてあげたいものです。幼稚園でも一人できることにじっくり時間をかけることもありますが、やはり、一人ではできないことをやれる場が幼稚園であります。それは競いあうことであり協力しあうことです。「友だちと仲良くすること」「困っている人がいたら助けてあげること」いつも子どもたちには言うことですがこれらも一人では学べないことです。みんながいるから、自分とは違ったいろんな子がいるから豊かな学び、豊かな成長が導かれるのです。

 実りの秋です。木や畑には目に見える果実が実ります。一方で目には見えにくくはっきりとこれが果実ですと言えないのが子どもの成長でもあります。しかし、それが大きくても小さくても、子どもの成長の果実に気付くことができるようにしっかりと子どもに寄り添って実りの秋を迎えましょう。