大人は一日に15回、子どもは400回 園長 佐竹 和平
園庭にいると子どもたちが寄ってきて、園長の背中に乗ってきます。園長の私が背中にだれが乗っているのかわからないふりをしていると、子どもたちはとても喜んで笑ってくれます。園長の私はこれを、来る日も来る日も、もう15年以上、同じことを同じようにやって子どもたちと笑い合っています。
子どもは本当によく笑います。一説によると、一日に400回も笑うのだそうです。一時間に30回くらい笑っている計算になります。一日中笑っているといっても良いほどです。一方の大人はというと、一日に15回しか笑わないのだそうです。 1時間に1回くらいしか笑わないことになります。ずいぶんと少ない感じがします。
日常の生活の中にいくつものおもしろいこと、楽しいことを見つけて笑うことができるのが子どもです。とても素晴らしい能力だと思います。子どもの笑うという行為にも成長の段階があって、単純なこと、視覚的なこと、単語で笑う、例えば、机から物を落とすことでも楽しんで笑ったりもします。水たまりでバシャバシャやって喜ぶ子どもの姿もよく見ますよね。保護者としては不快に思うようなことで、子どもが楽しんで、笑っていることはよくあります。こういうのも子どもにとっては成長の一過程ですので目くじら立てないで、成長している最中だなあと喜びをもって見てあげられるといいですね。
成長につれて、ある一定の条件を崩したことによって起きる笑い、お互いの共通認識、常識を共有していることを前提にした笑いがあります。言葉の言い間違いやいわゆるボケることによる笑いは乳幼児には起こりません。単純な笑いをたくさん経験する中で、少しずつレベルの高い笑いへと向かっていきます。笑えば笑うほど、成長するのです。子どもと一緒に楽しく笑いあえる日々を過ごしていきましょう。
さて、子どもたちの生活は笑いに溢れていますが、一日に15回しか笑わないとされている大人の、保護者の皆さんの生活はいかがですか。子育てを楽しんでいますか。家族で過ごす時間を大切にされていますか。子どもと同じくらい笑っていますか。何より、自分自身を生きておられますか。
幼稚園では保護者の活動も始まっていきます。保護者の皆様にはサークル活動や幼稚園の行事に向けてのボランティア活動などで楽しく、笑い合える時間を増やして欲しいとも願っています。