園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2019年 4月

ことばに満たされて ~ひびきあう~       園長 佐 竹 和 平 

 進級のお友だちが心待ちにしていた始業式の日は春の陽気、暖かな一日でした。クラスの発表があり、先生に新しいバッチをつけてもらい、一つ上のお兄さん、お姉さんになったことを誇らしげにする姿が良かったです。進級した子どもたちは新しい環境に期待と希望を持っている一方で不安を抱え、緊張している子もいるかもしれません。楽しく、伸びやかな生活ができるように教職員一同、力を合わせて参ります。

 新しくドレーパー記念幼稚園に入園する子を迎える入園式は春とは思えない寒く、冷たい雨の降る日となりました。外は寒かったのですが入園式は子どもたちの笑顔が多く見られ、とても暖かな気持ちにさせてくれるものでした。式では一人で座ってお話を聞ける子、親と離れるのが嫌でずっと抱っこされている子、じっとしていられなくて立ち歩いてしまう子など様々な姿がありました。今までずっと一緒にいた我が子が親と離れてする初めての集団生活に不安を持たれている保護者の方もおられるかもしれません。でも、大丈夫です。幼稚園での生活の中で、お友だち、保育者とのかかわりの中で、今までできなかった多くのことが、いつの間にかできるようになっていきます。慌てず、焦らずに、子どもの成長をゆっくりとした気持ちで待ちましょう。

 ドレーパー記念幼稚園はキリスト教保育連盟に所属しており、カリキュラム(教育課程)はこの連盟の資料に基づいて決められます。今年度の年主題は「ことばに満たされて~ひびきあう~」となっています。大人である私たちの生活のみならず、幼児の生活の周りにも言葉は溢れています。しかし、溢れるほどの言葉、情報は必要でしょうか。現在の情報化社会への警鐘を鳴らしているかのような年主題です。「響き合うに充分な“ことば”があれば良い」という意味にも取れます。“ことば”は友だちや親、保育者との会話もそうです。読んでもらう絵本の言葉もそうです。聖書の言葉、礼拝でのお話や祈りも言葉です。歌うさんびかも言葉です。ことばが“ひびきあう”、心地よい幼稚園生活で子どもの豊かな成長が導かれるよう願っています。

 この主題からは大人が気をつけなければならないことも示されています。「ひびきあう」程度に多すぎず、少なすぎない言葉がけが子どもの成長にとって大切だということです。なんでも先取りして大人が子どもに指示を出したり、答えを言ったり、口だけでなく手をだしたりしないように、子どもの自分で考える時間、自分でやってみようとする時間を大切にして欲しいとの願いもあるようです。

 保護者の皆様、特に新入園の保護者にとっては新しい環境の中でお子さん同様、緊張されている方もいるかと思います。そんな保護者同士でも”ひびきあう“言葉がけがお互いの距離を縮め、親しい友だちをつくるようにもなります。お子さんのみならず、保護者の皆様も幼稚園での生活を楽しまれるよう願っています。