園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2011年 7月 水のような人

水のような人             園 長 佐 竹 和 平 

 綾瀬市の施設整備費補助金を利用して樽付きのポンプを購入し「たるぽん」と命名しました。たるぽんには180Lの水が入ります。水道の蛇口の水は水栓を回せば際限なく出てきます。しかし、たるぽんの水は使うと減っていき、水が出なくなります。当たり前の事を改めて教わっています。水道の水も実は使うと無くなってしまいます。神奈川県には貯水ダムが多くありますので夏場の水不足による水の使用制限はここ数年出されていませんが、水道の水もみんなが無駄に使えば無くなってしまいます。たるぽんを通じて今まで以上に水を使わずに、しかし今まで以上の水遊びが出来るようにとの願いでもいます。

我が家には私の曽祖父が書き記した「水五則」と題する書が掲げられています。

 [ 水 五 則 ]
  一,自ら活動して 他を動かしむるは水なり
  一,常に己の進路を求めて止まざるは水なり
  一,障害にあい 激しくその勢力を百倍し得るは水なり
  一,自ら潔うして他の汚れを洗い 清濁併せ容るるの量あるは水なり
  一,洋々として大洋を充たし 発しては蒸気となり雲となり雨となり
    雪と変じ霰と化し 凝っては玲瓏たる鏡となり 而もその性を
    失わざるは水なり

水の性質を表しつつ、水に学び、水のように生きよとの教えのようです。戦国時代の武将黒田孝高豊臣秀吉の軍師)が残したものとされています。

 過日、他園の幼稚園教師が研修にドレーパー記念幼稚園にやってきました。その教師の幼稚園では外遊びの時に水を使わないとのことで、当幼稚園の水遊びの様子に驚きと感動を持って接していました。幼稚園では水もまた学びの教材です。水に触れ、水に遊び、子どもの感性で色んなことを感じとってもらいたいと願っています。

 さて、水五則。最後の「水なり」を「人なり」とするとわかりやすいです。子どものみならず私たち自身も水のようでありたいと思います。他人の為に自分から行動する人、いつも夢に向って前に進もうとする人、困難な状況にも打ち勝つ勇気を持つ人、どんな人とも共に生きることが出来る人、どんな状況にあろうとも自分の個性を見失わない人。夏のこの時期、子どものみならず私たち大人も水から大いに学ぶ時としたいものです。