園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2017年 7月 気持ちよく

                       園長 佐 竹 和 平 
 80歳になる私の母がこの度、自分の人生を綴った本を出版しました。「あなたに平安がありますように(大空社出版):佐竹順子」。キリスト者としての歩み、社会福祉事業へのかかわり、7人の子育てなどについて記した本です。園長の私は7人兄弟の6男、下に弟がいて、全部で7人、みんな男です。6男の私までは年子です。せっかくなので母の本の中で、子育てで大切なこととして記されているもののいくつかを紹介させていただきます。

・子どもと接するときは、決してイライラさせないように心がける。ゆったり受け止める。
・決して過干渉にならない。
・自分で考えて判断できるようになるために子どもの人格を信じ、信頼関係を築く。
・親としての最も重要な役目は子どもの背後で祈ること。

 改めて、思い起こすと、幼少期、思春期と今日にいたるまで、私は母に叱られたことがありません。きつく注意されたこともありません。以前紹介した、幼稚園教育要領の改正では「「教師は幼児との信頼関係を十分に築き、幼児が身近な環境に主体的に関わり・・」とありますが、母の本の中に同じような記述があることに驚かされます。

 子どもはその多くを大人に依存していますが、成長するにつれ自立していく必要があります。そのときに必要な能力が主体性、自らの意志や判断に従って行動できる能力です。大人が子どものためと思って何でも手出し、口出しをし、過干渉になると、子どもの中に本来ある主体性が芽生えていきません。子どもとの信頼関係を築きながら子どもの姿を励ましつつ、背後にあって、見守り、祈ることでこの主体性が伸びるのを待ちましょう。

 さて、7月のカリキュラムのテーマは「気持ちよく」です。7月ということもあり水遊びをイメージするテーマでしょうか。水や砂、土の感触で気持ち良いと感じる子どもたちです。でも、「気持ちいい」ではなく「気持ちよく」がテーマとなっているので、どうやら水あそびだけを意識したものではないようです。友だちとのこと、クラスのこと、家族、夫婦、職場・・「気持ちよく過ごす」ために一人ひとり、自分に何が出来るか、何に注意を払う必要があるのかを改めて考えるよい機会としていきましょう。