キリスト教保育の願い 4) 園長 佐 竹 和 平
8月の園だよりは年長さんのお泊り保育特集号となっています。お泊り保育での年長の子どもたちの様子を年長の保護者のみならず年少、年中の保護者にも知っていただきたいとの思いもあります。
幼稚園で行う行事には一つひとつに目的とねらいがあります。お泊まり保育はその名前が表すように一番の目的はいつも一緒に過ごしている親と離れてお泊まりをすること。この体験が何より大事です。ねらいは特に年長児のみを対象にして、いつもと明らかに異なる環境下で行われることから多くのねらいがあります。幼稚園教育要領で示されている「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」を参考にするとわかりやすくなります。
①健康な心と体
②自立心
③協同性
④道徳性・規範意識の芽生え
⑤社会生活との関わり
⑥思考力の芽生え
⑦自然との関わり・生命尊重
⑧数量・図形、文字等への関心・感覚
⑨言葉による伝え合い
⑩豊かな感性と表現
少し例を挙げて紹介してみます。
・事前の準備ではグループを作り名前を決めます。③④⑨⑩
・お泊まり保育用のTシャツは染めて自分独自のものを作ります。⑥⑧
・富士山、東山荘の自然の中で、YMCAの人と様々な体験をします。①②③⑤⑦⑩
・みんなでお風呂に入り、ご飯を食べます。③④⑤
・自分たちで布団の用意をします。②③
と言った具合になります。
すべては日頃の生活、幼稚園での集団での生活の延長にあるものです。今回のお泊まり保育では年長らしいとても素敵な姿をたくさんみることができました。
今月もキリスト教保育連盟によるキリスト教保育のねらいを紹介します。
4)子どもが、心を動かし、探求し、判断し、想像力をもち、創造的にさまざまな
事柄に関わるようになる。
テレビやゲームなど子どもが「心を動かされる」ものはありますが、それらが探求心、判断力、想像力を養い、かつ創造性を身に付けるようなものにはなりません。テレビやゲームはそのままで心を動かされてしまうので、探求心、判断力、想像力の出番が少ないのです。水や土、草花に昆虫などの自然物との体験のなかではなぜだろうという感覚から探求心がうまれます。友だちとの身体を使った遊びでは判断力や遊びを創造的に発展させる力も育まれます。絵本などの物語のなかで、身近にある素材での工作などでは想像力が育まれます。このような体験を実際にするなかで心動かされるとき、子どもは成長していくのです。