園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2025年 4月

深く愛されて育つ                    園長 佐竹 和平

 「だから毎日、幼稚園に通えた」という本が出版され、その著者の名前が東田直樹さんとなっていたのですぐに注文して読ませていただいた。東田直樹さんは重度の自閉症で、言葉でのコミュニケーションが不得意です。この本を購入する際にAmazonでは2014年に東田さんの「自閉症の僕が跳びはねる理由」という本を私が購入していることもわかりました。当時、20代前半の東田さんが講演会の講師に招かれ、ぴょんぴょん跳ねながら、自閉症についての質問に答えるシーンや、話の終わりには甲高い声で「おわり」というなど、非常に印象的でした。

 東田さんは重度の自閉症でコミュニケーションが苦手なのですが自分の考えていること、考えていたことを器具により表現できるようになり、自閉症の当事者の考えていることを彼によって多くの人が知ることになったのです。今では「自閉症の僕が跳びはねる理由」は世界30か国で翻訳出版されるベストセラーにもなっています。

 さて、今回、読んだ本の「だから毎日、幼稚園に通えた」の中に幼稚園の先生についての記述がありました。子どもは先生を好きになります。特に担任の先生を好きになります。それは私の担任の先生だから好きになるのだというのです。東田さんも幼稚園時代には会話はできなかったけど、担任の先生が好きだったと。このことから連想して考えたのは、子どもはお母さん、お父さんが大好きです。これは私のお母さん、私のお父さんだからということに改めて気付かされもしました。子どもは私の担任の先生、私の幼稚園の先生、私のお母さん、私のお父さんが好きなのです。

 「自閉症の僕が跳びはねる理由」の中には子どもに対しては「大好きだと伝えてください。大切なのは一人でもいいので、どれだけ深く愛されたかだと思います。」と大人、保護者へのアドバイスがありました。「一人でもいい」「どれだけ深く愛されたか」に自分自身のこと、自閉症のことをなかなか理解してもらえなかった東田さんの苦悩がありました。そんな中でも両親、幼稚園の先生には深く愛された記憶があるようで、それが今の自分、自己肯定感のある自分につながっているとのことでした。

 ドレーパー記念幼稚園はキリスト教主義の幼稚園です。子どもは神さま、イエスさまに深く愛されています。お母さん、お父さんから深く愛されています。担任の先生、幼稚園の先生から深く愛されています。そのことを子ども自身が日常の生活の中で感じ取り、自分自身を愛し、周りの人を愛せるようになっていくのです。

 さあ、お子さんのことを深く愛していく日々をともに過ごしていきましょう。

 

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