園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2018年 6月

乳幼児期の体験                  園長 佐 竹 和 平 

 図書室の保護者向け図書を整理していたら面白いタイトルの本があり興味深く読ませていただきました。角田春高著「育て直し」という本です。この本の出版は2003年となっていますので、もう15年も前になります。著者の考えでは、人生の中で何らかのつまずきがあったとしたら、乳幼児期の体験に照らし併せて考える必要があり、改善するには、そこからやり直す必要があるようです。そして、その乳幼児期の体験を7つの段階でその経験する年齢(月齢)と共に紹介しています。

第1段階:実感・・生きている実感を持つこと(0歳から3ヶ月頃)
第2段階:安全・・物や場所による安心感が広がること(3〜6ヶ月頃)
第3段階:信頼・・人による安心感が広がること(6ヶ月〜1歳2ヶ月頃)
第4段階:言葉・・経験を言葉で表し、言葉で理解すること(1歳2ヶ月〜2歳6ヶ月頃)
第5段階:仲良し・・対等な2人遊びができること(2歳6ヶ月〜4歳6ヶ月頃)
第6段階:3人組・・対等な3人遊びができること(4歳6ヶ月〜6歳頃)
第7段階:畏れ・宇宙の中の私・・学習意欲あるいは勤労意欲が持てること(6歳〜9歳)

 このような段階を一つひとつ踏まえながら客観的に自我に目覚めるようになった人が大人なのだそうです。そして、問題行動や症状が現れた場合はこの7段階の過程、欠けてていると思われる段階を経験することで、何歳になっていても、立ち直る事が出来るとされています。とても興味深い理論です。

 子どもの成長と個性は人それぞれで一概には言えない事ですが年齢に応じた経験をしていなくても幼稚園という集団の中で、保育者との関係のなかで育ち直しがされていることもあります。そして第6段階までを体験して幼稚園を卒業して行くと、その後の社会での生活が豊かになるのだと思います。

 先月に続きキリスト教保育連盟によるキリスト教保育のねらいを紹介します。

 2)子どもがイエスを身近に感じ取ることを通して、見えない神の恵みと導きへの
   信頼感を与えられ、「イエスさまと共に」毎日を歩もうとする思いをもつよう
   になる。

 生活の中にイエスさまが共にいることを感じとることができるようになると、何かを自分自身の力で出来たと思っても、自分自身の力ではない、神様をはじめ周りの様々な助けの中でできたものであることに気づくことができ、、感謝出来るようになるという考え方に基づいたものです。上記の第1段階から7段階までを網羅するようなねらいとなっています。わたしたちの歩みは神様に支えられているのです。とても、心強く、安心の中にいるこの喜びと感謝を忘れずにいたいものです。