友だちとともに 園長 佐 竹 和 平
文部科学省の定める幼稚園教育要領の中には幼児期の終わりまでに(小学校入学前までに)育ってほしい姿として10の項目が挙げられています。
①健康な心と体
②自立心
③協同性
④道徳性・規範意識の芽生え
⑤社会生活との関わり
⑥思考力の芽生え
⑦自然との関わり・生命尊重
⑧数量・図形、文字等への関心・感覚
⑨言葉による伝え合い
⑩豊かな感性と表現
これらは必ずしも「できる」「できない」で各項目を個人にあてはめるためのものではなく、子どもたちを見る教師の視点、子どもたちが今、どのような資質、能力を身につけようとしているのかを見極めるために定められたものです。
9月のカリキュラムのテーマは「友だちとともに」とありますから、③の協同性にかかわるテーマとなっています。実際には友だちとの生活のなかで「協同性」だけが育まれるのではなく、ともに取り組む、語り合う中から、上記の他の項目も一緒に育まれることになります。砂場で友だちとともにトンネルを造る、カプラ(積み木)を友だちとともに積み上げる中で協同性、思考力の芽生え、言葉による伝えあいなどが育まれているのです。4月からの幼稚園生活で一人ひとり、自分のペースで友だちとの関係性を築きあげ、協同性が育ってきています。その協同性の中で子どもがどのような育ち、学びをしているかにしっかりと目を向ける月にしてほしいとの願いが今月のテーマです。
子どもたちの生活では10月の運動会に向けての活動が本格化していきます。幼稚園の運動会は子どもが成長する機会がたくさんつまっています。練習や子ども同士のかかわりあいの中に上記の10の項目がたくさん含まれています。友だちとともに力を合わせてよい物にしようと努力する過程に大いなる学びがあるのです。ですから、運動会当日の目に見える結果、勝ち負けや表現の善し悪し、競技に参加できたかどうかよりも大切なものがあります。それは、その子が運動会にどう向き合ったか、運動会までにその子ども自身がどのように成長したかということです。その成長の姿を運動会当日に感じ取れることができ、保護者、教職員、子どもたちとともに喜びあえる素敵な一日となるよう願っています。
いわゆるコロナ過とされる中での2学期です。引き続き保護者の皆様にはご不便をおかけし、ご協力を仰ぐことも多いかと思いますがどうぞよろしくお願いします。