園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2013年 12月 わかちあい 

わかちあい      園長 佐 竹 和 平 

 英語の表現にPleasure Is Mine(またはIt's My Pleasure)というのがあります。日本語に訳すと「それは私の喜びです」というもので、どのような使われ方をするかというと「この間は駅まで送ってくれてありがとう」「それは私の喜びです」という使われ方です。日本語だと「どういたしまして」と答えるような際に英語の表現では「それは私の喜びです」と答えることがあるのです。「あなたが私に感謝を言うほど喜んでいることが私の喜びです」という考え方に基づくものです。日本語の「どういたしまして」の考え方は「そんなに気にしないでください」という謙遜的な考え方に基づいているのと大きく異なり、共感、わかちあいの精神がこの英語表現にはあります。

 12月のカリキュラムでは「わかちあい」をテーマにしています。子育てに限らず、人が生きていくということは感情や価値観をわかちあいながら生きていくことでもあります。聖書には「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい(ローマの信徒への手紙12−15)」と記されています。なぜ、そのように記されているかというと中々できないことだからです。大人は人の喜びに嫉妬心を抱いてしまい人の喜びを喜べないときがあります。泣いている人を見ると泣いていない自分の幸せに安堵して、喜んでしまうこともあります。だから、純真で他と比べることで自分の喜びや幸福を考えない幼児期にこそ、大事に育てなければならない心、感情が〝わかちあい″なのです。

 先日読んだ本(失敗しない育児のスゴワザ51:租川泰治著)には親が子に持つ愛情を子どもとわかちあうスゴワザが紹介されていました。鏡の前で子どものほっぺにチュッとしてあげるというのがそれです。すごく簡単だけど、きっと、すごく効果のあるスゴワザです。子どもにとってはチュッとされてうれしい自分が鏡の中で確認できるのです。親が自分を愛してくれているということを目でも確認できるのです。鏡の前で抱きしめたり、頭を撫でてあげるのも親の愛情を子どもとわかちあうには効果がありそうです。我が家は中3の娘と中2の息子なのでもはや実践できませんが、幼児の親である皆さんはぜひ、実践してみてください。

 いよいよ12月となりました。イエス様がお生まれになった喜びをわかちあうクリスマスを迎えます。子どもたちの成長の喜びをわかちあう時ともなるでしょう。
皆さんが素敵なクリスマスを迎えられるようにと願っています。