園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2012年 2月 雪に耐えて梅花麗し 

雪に耐えて梅花麗し          園長 佐竹 和平

 4月から始まった今年度の幼稚園生活。2月のこの時期になると年長は小学生になるという喜び・期待と不安を持ち、年少、年中はそれぞれ進級することへの喜びと期待を持っていることがわかります。それぞれのクラス、それぞれの子どもたちが豊かにその成長が導かれていることに感謝です。年長児の保護者の皆様には残り少ない幼稚園生活となりました。最後までお子さん共々、楽しく過ごされますよう願っています。

 関東地方でも1月の末に雪が降りました。幼稚園の園庭にも少しだけ雪が積もっていました。子どもたちは大喜びで、少ない雪ながらも雪遊びを楽しんでいました。雪が降ると私が思いだすのは「雪(ゆき)に耐(た)えて梅花(ばいか)麗(うるわ)し」の言葉。私はてっきり中国の故事の類かと思っていたら、西郷隆盛の作った漢詩なのだそうです。寒い冬、雪にも耐えてこそ、梅はきれいに咲くようになると言った意味かと思いますが、辛いことに耐えてこそ、人生の成長があるということにもなるのでしょう。

 幼稚園での子どもたちの生活の中にも耐えなければならないことは多くあります。幼稚園は集団での学びを通じて子どもの成長が導かれる場所です。一人ではなく集団ですから家族やお母さんと過ごす時よりも多くの耐えなければならないことがあるかもしれません。もっと遊んでいたいけどお部屋に入らないといけない、あのおもちゃで遊びたいけどあの子が使っているから我慢しなければいけない、お祈りの時はおしゃべりをしない、苦手な製作だけど作品づくりに最後まであきらめずにやる・・。耐えつつも乗り越えている子どもたちだから成長が導かれているのでしょう。

 大人にとっては寒い冬の朝は布団から起き上がるのも一苦労という方もいるかもしれません。しかし、辛いこと嫌なことから逃げていては一日が始まりません。雪に耐えて梅花麗しの言葉のように、辛い、嫌なことがあっても耐えるべきものには耐えて素敵な人生としていきましょう。