園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2024年 5月

大人は一日に15回、子どもは400回       園長 佐竹 和平

 園庭にいると子どもたちが寄ってきて、園長の背中に乗ってきます。園長の私が背中にだれが乗っているのかわからないふりをしていると、子どもたちはとても喜んで笑ってくれます。園長の私はこれを、来る日も来る日も、もう15年以上、同じことを同じようにやって子どもたちと笑い合っています。

 子どもは本当によく笑います。一説によると、一日に400回も笑うのだそうです。一時間に30回くらい笑っている計算になります。一日中笑っているといっても良いほどです。一方の大人はというと、一日に15回しか笑わないのだそうです。  1時間に1回くらいしか笑わないことになります。ずいぶんと少ない感じがします。

 日常の生活の中にいくつものおもしろいこと、楽しいことを見つけて笑うことができるのが子どもです。とても素晴らしい能力だと思います。子どもの笑うという行為にも成長の段階があって、単純なこと、視覚的なこと、単語で笑う、例えば、机から物を落とすことでも楽しんで笑ったりもします。水たまりでバシャバシャやって喜ぶ子どもの姿もよく見ますよね。保護者としては不快に思うようなことで、子どもが楽しんで、笑っていることはよくあります。こういうのも子どもにとっては成長の一過程ですので目くじら立てないで、成長している最中だなあと喜びをもって見てあげられるといいですね。

 成長につれて、ある一定の条件を崩したことによって起きる笑い、お互いの共通認識、常識を共有していることを前提にした笑いがあります。言葉の言い間違いやいわゆるボケることによる笑いは乳幼児には起こりません。単純な笑いをたくさん経験する中で、少しずつレベルの高い笑いへと向かっていきます。笑えば笑うほど、成長するのです。子どもと一緒に楽しく笑いあえる日々を過ごしていきましょう。

 さて、子どもたちの生活は笑いに溢れていますが、一日に15回しか笑わないとされている大人の、保護者の皆さんの生活はいかがですか。子育てを楽しんでいますか。家族で過ごす時間を大切にされていますか。子どもと同じくらい笑っていますか。何より、自分自身を生きておられますか。

 幼稚園では保護者の活動も始まっていきます。保護者の皆様にはサークル活動や幼稚園の行事に向けてのボランティア活動などで楽しく、笑い合える時間を増やして欲しいとも願っています。

2024年 4月

愛を持って子育て                      園長 佐竹 和平

 自分は神様に愛されている、家族に、お友だちに、先生に愛されている大切な存在だと知ること。自分だけでなく、目の前にいる人、お友だちも同じように神さまに愛され、周りの人から愛されている大切な存在だと知ること。お互いが神さまに愛されている大切な存在なのだから、互いに反目しあうことなく、仲良く、困っていることがあったら助け合うことができる。そういう者となっていって欲しいと願いながら、愛を持って子どもに接するのがドレーパー記念幼稚園のキリスト教育です。 

 一方で保護者の皆さんに愛を持ってお子さんを育てることの大切さを伝えてもいるのです。愛のある子育て、愛のある親子関係、愛のある家族。乳幼児期からこのような環境で育つ子どもは、毎日を伸び伸びと、楽しく過ごすことができるようになります。自分は自分でいい、自分の個性が周りを喜ばせるものであることを知っていきます。乳幼児期のこのような体験、経験がその後の人生の基礎となるものです。愛を持って子どもを育てていきましょう。

 カリキュラムには今月の主題があり、4月は「出会い」となっています。新しい出会いが多く与えられる4月です。様々な出会いがあるでしょう。この出会いこそが人生を豊かに喜びにあふれたものにしてくれます。初めてのお友達、初めての先生。みんなで遊ぶこと、歌うこと、食べることの楽しさとの出会い。子どものみならず保護者の皆様にも新しい出会いが多くあることでしょう。一生の友だちに出会うこともあるかもしれません。新たな自分に出会うかもしれません。園長としては保護者の皆さんにはせっかくドレーパー記念幼稚園に関わっているのですから、聖書、教会に出会って欲しいと願っています。そこに、神様、イエス様との出会いがあり、喜び、祈り、感謝の日々が導かれると私は思います。聖書は昔に書かれた書物です。しかし、その内容は決して古びず、今もそれを読む者に生きる力を与えてくれているので、世界中で読まれているものです。聖書の中にはこのように書かれています「聖書はすべて、神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。(新約聖書テモテへの手紙2 4-16)」

 2023年度のドレーパー記念幼稚園の歩みは園児57名とその家族、教職員15名による生活です。園児のみならず、保護者、家族の皆さまにも教職員にも楽しい幼稚園生活となるよう園長の私はこの年も多くの皆様のお力添えをいただきながら幼稚園運営にあたって参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

2024年 3月

キリスト教保育の願い          園長 佐竹 和平

エスキリストを通して示される神の愛と恵みのもとで子どもたちが育てられ、今の時を喜びと感謝をもって生き、そのことによって生涯にわたる生き方の基礎を培い、共に生きる社会と世界をつくる自律な人間として育っていって欲しい。このような願いがキリスト教保育の子ども観です。

 幼稚園の毎日の礼拝では月ごとに決められた聖句(聖書の言葉)をみんなで声を出して言うのです。毎日の聖句暗唱で、キリスト教保育の願いが少しずつ、子どもたちの心と体に行き渡っていったと信じています。年度の終わりに全てを記します。お子さんと一緒に振りかえって頂けたらと願っています。

4月 わたしは よみがえりです。いのちです。

5月 わたしたちは たがいにあいしあいましょう。

6月 ひかりのこどもとして あゆみなさい。

7月 あなたのわかいひに、あなたのそうぞうしゃを おぼえよ。

9月 わたしは ぶどうのき、あなたがたは えだです。

10月 かみは、よろこんであたえるひとを あいしてくださるのです。

11月 いつまでも のこるのは しんこうと きぼうと あいです。

12月 ひとりの みどりごが わたしたちのために うまれる。

1月 あいは けっして たえることが ありません。

2月 さあ、しゅにむかって よろこびうたおう。

3月 すべてのことについて、かんしゃしなさい。

 2023年度のドレーパー記念幼稚園の生活も終わりが近くなってきました。 年長のほし組さんは幼稚園を卒業し、4月からは小学校へ進学。年少、年中は進級となりそれぞれ新しい環境の中での幼稚園生活となります。どのような環境の中にあっても、神様の祝福とお守りをいただいて、子どもたちが安心して生活ができるようにとお祈りしています。

2024年 2月

忘れないで                    園長 佐 竹 和 平 

 讃美歌(さんびか)はキリスト教の礼拝の中で歌われるもので、神様を讃美する歌、神様をほめたたえる歌です。幼稚園でも讃美歌は毎日、子どもたちによって歌われています。何度も歌う讃美歌は幼稚園を卒業した後も忘れずにいて、あの歌、好きだったなあと思い出す卒業生もいます。

「わ〜すれな〜いで〜いつもイエスさまは〜きみのことを〜みつめている〜♪」  2月のさんびかは「忘れないで」です。年長のほし組はこの時期、卒業の言葉も多く聞くこととなり、幼稚園を卒業し、小学校に行くことへの喜びと不安をもって生活しています。年少、年中はそれぞれ進級に向けて、憧れの一つ上のあの色のバッチ、あの色の帽子に期待をふくらましている子もいます。そのような時に、忘れないで欲しいことがあるので、2月にこの讃美歌を歌っています。

 忘れないで欲しいことは、みんなが神様、イエス様に愛され、守られている大切な存在だと言うこと。そして、みんな、一人ひとりが大切な存在で、自分も大切な存在だから、そばにいるお友達も大切な存在、だから互いに愛し合いましょう、仲良くしましょうということ。困っている人がいたら助けてあげましょうということ。幼稚園に在園している皆さんはこのことを礼拝の中で聞き、友だちとの関係の中で体験し、行ってきていたのだから、忘れないでいて欲しいのです。

 いつも忘れずに生活することはできないかもしれません。辛いとき、嫌なことがあったときに、幼稚園での生活、礼拝をしたこと、讃美歌を歌ったこと、友だちとすごした時間を思い出して欲しいのです。それは希望になるでしょう。うれしいときにも思い出して欲しいのです。それは感謝になるでしょう。大切なことを、幼稚園で経験したことを、忘れずに日々を、人生を歩んで欲しいと願っています。

 2月のカリキュラムのテーマは「わかちあう」となっています。集団での生活は「~~しあう」ことが日常です。笑いあって、泣きあって、喜びあって、協力しあって、教えあって、分けあって、時には争いあいもありました。愛しあって、歌いあって、祈りあってもいます。それらは「育ちあう」ということに集約されるかもしれません。わかちあって、育ちあってきた子どたちのこの成長をうれしく思います。

 ドレーパー記念幼稚園で育ちあったこの経験をお子さんのみならず、保護者の皆様もどうか忘れないでいてほしいと願っています。

 

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2024年1月

信頼感                         園長 佐 竹 和 平 

幼児教育に関する研修などで良く出てくる言葉に「認知能力」「非認知能力」があります。何度かこの園だよりでも紹介はさせていただいてもいますが、大切なことなので改めて記しておきます。

認知能力というのは簡単に言うと数値化できるもの。学校での試験の点数、成績などでは能力がすぐに認知、明らかにされます。もっと言ってしまえば、目に見えるものとも言えます。「できる」「できない」とか「うまい」「下手」」とか。

まあ、一般的にできないより、できる方が良いですし、下手よりもうまい方が良いですが、良くなるために大切な能力が非認知能力とされています。「思いやり」「協調性」「自制心」「自尊心」「やり抜く力」「意欲」「社交性」「勤勉性」「信頼」などのことを言います。

冬のこの時期には園庭でなわとびが行なわれています。最初から誰でもできるわけではなく、諦めずに練習するからうまく飛べるようになるのです。この諦めずに練習しようとする心が大切なのです(やり抜く力、意欲)。また、できる子ができない子に飛び方を教えたりもします(おもいやり、協調性、社交性)。なわとびができる、できないではなく、大切なのはその過程にあることがわかります。

非認知能力の「思いやり」「協調性」「自制心」「自尊心」「やり抜く力」「意欲」「社交性」「勤勉性」「信頼」どうすれば育つのでしょうか。それには乳幼児期の親や大人の関わりの中で、「人って信じて良いのだな。自分は愛されているんだな」という自分と他者に対する基本的な信頼感がベースになって徐々に「非認知」的な心の性質が積みあがっていくのだとされています。

子どもはよく「みて、みて~」と言って、自分の得意なことをやってみせてくれます。そういう一つひとつの子どもからのメッセージを疎かにしないようにすることが大切です。見てくれる人がいる信頼感です。子どもにとってこれが一番うれしいことです。子どもとの信頼感を意識して、毎日を過ごしていきましょう。

2024年1月

信頼感                         園長 佐 竹 和 平 

幼児教育に関する研修などで良く出てくる言葉に「認知能力」「非認知能力」があります。何度かこの園だよりでも紹介はさせていただいてもいますが、大切なことなので改めて記しておきます。

認知能力というのは簡単に言うと数値化できるもの。学校での試験の点数、成績などでは能力がすぐに認知、明らかにされます。もっと言ってしまえば、目に見えるものとも言えます。「できる」「できない」とか「うまい」「下手」」とか。

まあ、一般的にできないより、できる方が良いですし、下手よりもうまい方が良いですが、良くなるために大切な能力が非認知能力とされています。「思いやり」「協調性」「自制心」「自尊心」「やり抜く力」「意欲」「社交性」「勤勉性」「信頼」などのことを言います。

冬のこの時期には園庭でなわとびが行なわれています。最初から誰でもできるわけではなく、諦めずに練習するからうまく飛べるようになるのです。この諦めずに練習しようとする心が大切なのです(やり抜く力、意欲)。また、できる子ができない子に飛び方を教えたりもします(おもいやり、協調性、社交性)。なわとびができる、できないではなく、大切なのはその過程にあることがわかります。

非認知能力の「思いやり」「協調性」「自制心」「自尊心」「やり抜く力」「意欲」「社交性」「勤勉性」「信頼」どうすれば育つのでしょうか。それには乳幼児期の親や大人の関わりの中で、「人って信じて良いのだな。自分は愛されているんだな」という自分と他者に対する基本的な信頼感がベースになって徐々に「非認知」的な心の性質が積みあがっていくのだとされています。

子どもはよく「みて、みて~」と言って、自分の得意なことをやってみせてくれます。そういう一つひとつの子どもからのメッセージを疎かにしないようにすることが大切です。見てくれる人がいる信頼感です。子どもにとってこれが一番うれしいことです。子どもとの信頼感を意識して、毎日を過ごしていきましょう。

2023年 12月

クリスマスの喜び              園長 佐竹 和平

「運動会が礼拝から始まるってすごいですね」とある保護者から言われました。ドレーパー記念幼稚園では運動会に限らず多くの催しは礼拝から始まります。礼拝が出来なくとも、少なくとも祈りをもって始めるようにしています。礼拝や祈りは自分自身やみんなのことを神様に感謝し、みんなの平安を願うものです。感謝の気持ちを絶えず忘れずに今を生きて欲しい。自分自身のことだけでなくみんなのことを考える人になって欲しいという願いがここにはあります。

12月のこの時期に思い出す詩、保護者の皆さんに伝えたくなる詩があります。

松田明三郎という牧師の書いた「星を動かす少女」。

 クリスマスのページェントで 

 日曜学校の上級性たちは三人の博士や、牧羊者の群や、マリヤなど、

 それぞれ人の目につく役をふりあてられたが、

 一人の少女は誰も見ていない舞台の背後にかくれて星を動かす役があたった。

 「お母さん、私は今夜、星を動かすの。見ていて頂戴ね」

 その夜、堂に満ちた会衆はベツレヘムの星を動かしたものが誰であるか

 気づかなかったけれど、彼女の母だけは知っていた。

 そこに少女の喜びがあった。

 舞台の後ろで星を動かす役、それは決して華々しい役ではないけれど、とても大切な役目の一つです。それを熱心に、純真に演じようとする少女の姿。そして、そのことを全信頼を置いている親にむかって喜びを持って伝えている少女の姿があります。

「見ていて頂戴ね」と言われた時、あなたならどう応えるでしょう。あなた自身もこのような星の役、人には知られないけれど大切な役目を負っていることもあるでしょう。それをわかってもらえることは大いなる喜びです。

 12月、イエスキリストの誕生を喜びあう時です。しかし、現実にはそのイエスキリストが誕生した地、パレスチナでは戦争が起きています。互いに愛し合いなさいと伝えたイエスキリストの愛を理解し実践できない現実、罪がそこにはあります。戦争とまではいかないまでも、同じような罪を持つ、互いに愛し合うことができない自分自身もいます。

 パレスチナでの惨劇を遠い地でのことと思わずに自分自身の中にもあることとして、クリスマスを通じて一人でも多くの人と平和を願い、祈りたいと思います。