園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2026年 3月

一歩、一歩                    園長 佐 竹 和 平 

 人の体は、毎日の食事によってつくられていきます。豪華なごちそうや、華やかな席での料理が体をつくるのではありません。むしろ、何気ない日々の食事、その一回一回の積み重ねこそが、私たちの体を支え、形づくっています。
昨日の食事は思い出せても、一週間前、一年前、まして一歳のころに何を食べていたかを覚えている人は、ほとんどいないでしょう。それでも、その一つ一つが、確かに今の自分をつくっています。

 幼稚園の営み、子どもの成長も、それとよく似ているように思います。
運動会や発表会のような大きな行事は、心に残る特別な日です。子どもたちの成長を目に見えるかたちで感じられる、うれしい機会でもあります。けれども、子どもたちの心を本当に育てているのは、その日の特別な時間だけではありません。
毎朝の「おはよう」のあいさつ。転んだときにかけられる「だいじょうぶ?」の一言。
けんかをして、涙を流し、やがて仲直りすること。ぶつかり合いながらも、もう一度いっしょに遊ぼうとする姿。そうした何気ない日常の中にある、あたたかく、心の通った関わりこそが、子どもたちの土台を静かにつくっています。

 その成長は、すぐには見えません。背が伸びるように数値で測ることもできません。それでも確かに、子どもたちの内側で、静かに、そして確実に育っているのです。

 今月の聖句に、「主が一歩一歩を備えてくださる」(箴言16章9節)とあります。
神さまは、着実で、誠実な毎日の歩みを、私たち一人ひとりのために備えていてくださいます。派手さはなくても、毎日の保育の中で注がれる愛。すぐに結果が見えなくても、信じて待つ眼差し。その積み重ねが、子どもたちの「見えにくい成長」を支えています。

 神さまが一人ひとりを大切に育ててくださっていることを信じながら、これからも日々の小さな営みを大切にしてまいりたいと思います。
 目に見える大きな出来事だけでなく、今日という一日の中にある小さな出来事を大切に。子どもたちの内に育っているものを信じつつ、神さまの守りの中で、また明日も一歩ずつ歩んでまいります。