幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿と運動会
園長 佐竹 和平
大切なことなので、年に一度は園だよりを通してお伝えしているのが、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」です。これは、小学校入学前までに育ってほしい姿として文部科学省が幼稚園教育要領に定めている10の項目です。
①健康な心と体
②自立心
③協同性
④道徳性・規範意識の芽生え
⑤社会生活との関わり
⑥思考力の芽生え
⑦自然との関わり・生命尊重
⑧数量・図形、文字等への関心・感覚
⑨言葉による伝え合い
⑩豊かな感性と表現
運動会での子どもたちの姿を、この10の視点から見つめることで、一人ひとりの成長や学びに気づくことができます。
はじまりの会
家族の人たちと共に礼拝を守ります。「奏楽の音に合わせて心を静かにしましょう」と司会の園長が言うと、子ども達、参加してくださっていた保護者の皆さまも一緒に心を静かにする時が与えられ、園庭に静寂の時がもたらされました。そこには「協同性」「道徳性・規範意識」が確かにありました。
かけっこ
走ることを通して「健康な心と体」を育みます。ゴールを目指して最後まで走りきる中で、「自分で頑張る」気持ちや「自立心」が芽生えます。また、友だちと競い合いながらも応援し合う姿を通して、「協同性」も育まれます。
ダンス
音楽に合わせて体を動かす中で、「思考力の芽生え」や「豊かな感性と表現」が育まれます。振り付けを覚え、友だちと動きをそろえることで集中力や記憶力が高まり、自分なりの表現を楽しむことで創造性も豊かになります。みんなで一つの動きを作り上げる過程では、「協同性」や「道徳性・規範意識の芽生え」も育まれます。
年中・年長児は途中にリズムジャンプを取り入れ、それぞれの表現する姿を見せてくれました。
親子競技
親子で一緒に体を動かす中で、力を合わせる喜びや安心感を通して、親子の信頼関係が深まります。さらに、順番を待ったり、ルールを守ったりする姿の中に、「道徳性・規範意識の芽生え」も見られます。
パラバルーン(表現)
「協同性」や「社会生活との関わり」「言葉による伝え合い」「豊かな感性と表現」が育つ活動です。年中と年長が一緒に行うことで、教え合う姿や支え合う場面が多く見られました。友だちと息を合わせ、声をかけ合いながら表現する中で、「みんなでつくる楽しさ」を感じます。全体の動きを意識して行動することで、「思考力の芽生え」や「言葉による伝え合い」も育まれました。今年はみんなで声をそろえてセリフを言う場面や、自分でポーズを決める場面もあり、一人ひとりが生き生きと表現していました。
運動会での一つひとつの活動には、子どもたちの成長を支える大切な学びが詰まっています。 勝ち負けだけでなく、最後までやりきる力、友だちと力を合わせる喜び、困っている子がいたら助ける、応援する姿、自分らしく表現する心——そうした経験こそが、幼稚園という集団での学びの場で育まれるものです。それが目的としてではなく、結果として「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」へとつながっています。