育ててくださる神さま 園長 佐竹 和平
今月の「成長させてくださったのは神です」という聖書の言葉(キリスト教保育連盟のカリキュラムによる)は、子育て、幼児教育においてはとても重要な意味を持っています。新約聖書のコリントの信徒への手紙Ⅰの3章6節に由来し、「私は植え、アポロは水を注ぎました。しかし、成長させてくださったのは神です」というパウロ(私)の言葉です。この言葉の背景は、コリント(ギリシャ南部の都市)の教会を設立したパウロとその後、パウロが不在の時にこの教会でイエスキリストの福音を伝えたアポロがいて、この二人の働きは大切なものだったが、教会を導いたのは神ですというのです。
これがそのまま、子育てにも当てはまるので今月の聖書の言葉に取り上げられているのです。保護者、教育者は子どもの成長を導くために様々なことをします、水を注ぎます。しかし、子どもを成長させてくださるのは神なのです。子どもの成長は神にゆだねられているのです。この子ども観がキリスト教保育の根幹にあるのです。
子育ては思うようにいかないことがたくさんあります。親の思いとは全く違う判断、行動を子どもはするものです。親としては、親の考える正しいと思える判断、行動を子どもにしてもらいたいと願いますが、親の思い通りにはいきません。しかし、そのような時でも神を信頼し、神にゆだねることで、親や教育者が持つ不安や焦りが緩和されるのです。
子どもの全てをコントロールしようとして、全てを完璧にしようとして頑張りすぎてはいませんか。子どもの為を思って・・・と、子どもの今置かれている状況、環境を考慮せずに、子どもに厳しくし過ぎるようなことはしていませんか。また、子ども自身が親の期待に応えようと頑張り過ぎてはいませんか。
大切なことは、親、教育者はその子にあった適切な支援、関りをしたうえで、背後にあって子どもの成長を願って祈ることだと聖書は示しています。