ダンゴムシのための祈り 園長 佐竹 和平
ドレーパー記念幼稚園には卒業生保護者による後援会というものがあって、幼稚園の活動に関して応援してくださっています。今回、その後援会の小室会長が「保育者の祈り(日本キリスト教団出版局」という本を教職員に各一冊ずつプレゼントしてくださいました。ご自分が読まれてぜひ幼稚園の先生にも読んで欲しいと思われたようです。
この本にはキリスト教主義の保育の現場で働く職員のためのお祈りの事例がいくつも載っています。最初の事例がページェントの役割を決めるときに保育者が子どもたちと祈る内容ですからまさに、子どもとの生活に根付いた内容が多いです。
なかでも、秀逸だと感じたのが「集められたダンゴムシのために」という祈り。面白いので全文紹介します。
神さま、この、箱いっぱいのダンゴムシたちをごらんください。
園のすみずみから、みんなが集めてきました。
のんびり昼寝していたダンゴムシもいたでしょうし、
おいしいごはんを食べていたダンゴムシもいたでしょう。
わたしたちに友達や家族がいるように、ダンゴムシにも大切な仲間がいます。
ダンゴムシは私たちにかみつくこともなく、爪でひっかくこともしません。
ただ頑張って丸まって、自分を守っています。
あとでダンゴムシたちをお庭に戻します。
ダンゴムシよりはるかに大きなわたしたちが、
この小さな優しい虫を大切にできますように。 アーメン。
別に子どもたちにダンゴムシを大切に扱って欲しくて上記を紹介したのではありません。この祈りのように、小さなものの気持ちに寄り添うこと、相手の立場になって物事を考えることができることの尊さを覚えて欲しいとの願いによるものです。
先日、後援会の事業で「こどもかいぎ」という映画の上映会が教会の礼拝堂で行われました。子どもには子どもの価値観があって、その価値観を大人の価値観で是非をしても意味のないことがあることに改めて気づかされた映画でもありました。
ダンゴムシが大切に思われるように、目の前の子どもも、そして私自身もみんなに大切に思われる、そんな環境の中で子どもを育てていきたいですね。