園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2019年 6月

関わり合う                       園長 佐 竹 和 平 

 面白いことに年少ひよこ組、年中のゆり組、ばら組の担任による6月の園だよりでは、それぞれが子どもたちのけんか、トラブルについて書き記しています。けんか、トラブルが多くなってきているのでしょうか。6月のカリキュラムのテーマは「関わり合う」となっていますが、幼稚園生活にも慣れ、友だちと関わり合うことが出来るようになって、けんかができるようになったともいえます。

 子どもたちは新しい環境の中で自分のしたいこと、やれることが増えています。楽しいこと、お気に入りの遊び、遊具があります。しかし、そこには同じ思いを持った友だちがいて、思うようにできないときがあります。また、時間的な制約があることもあります。やりたいけど、やれない葛藤です。この思い、葛藤と折り合いをつけるのが成長でもあります。大きくなるにつれて葛藤は増えていき、複雑にもなっていきます。人、物、仕事、お金、時間、場所など、関わり合うすべてのことに、しかも複雑に葛藤が生まれます。ですから、子どもが葛藤と戦っているその時を保育者、大人は心に余裕を持って見守れるようでありたいと思います。大切な成長の時、学びの時なのですから。

 さて、幼稚園では6月にはキリスト教の行事の一つでもある花の日があります。きれいな花を咲かせてくださる神様に感謝する日です。幼稚園ではこの神様への感謝の気持ちを多くの人と分かち合えるように、年長さんが地域の病院、施設、お店や交流のある人を訪ね、お花を届けにいきます。一人でも多くの人が花を美しいと感じる心、その花を育ててくださる神様に感謝する気持ちを持てれば、わたしたちの暮らすこの社会はもっとよくなると思います。ニュースでは悲しい出来事が多く報道されています。そのようなものに接するたびに、社会との葛藤に押しつぶされてしまい、花を美しいと思う心の余裕を持てないで、その花を育ててくださる神様の存在に感謝することが出来なくなっている人が増えているように思えてなりません。

 聖書にはイエスさまが「空の鳥を見なさい、野の花を見なさい」と言われている場面があります。(新約聖書マタイによる福音書6章)。人に飼われていない空の鳥にも、神様は必要な食べ物を与えて下さっています。道端に咲く野の花も、神様はきれいに咲かせてくださいます。それでは神様は人間に対しては何をしてくれているのでしょうか。神様は、私たちに対して、鳥や野の花以上に心を配ってくださり必要なものを与えて下さっています。しかし、私たちはそれを当たり前と考えて、それに気がつかないで日々を過ごしているようです。だから、花の日のように改めて花の美しさに感じつつ、神様に感謝する日が必要なのです。自然との関わり合いを通じて、神様との関わり合いを通じて、子どもと一緒に花の美しさを喜び合える6月となるよう願っています。