園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2017年 8月 ゆったりと

  
ゆったりと                       園長 佐 竹 和 平 

 児童精神科医佐々木正美先生が6月にお亡くなりになられていたことを遅ればせながら知り、その著書「子どもへのまなざし」を改めて読み返してみた。この本は1998年に発行され、子育てに悩む多くの親を励まし、勇気づけベストセラーとなった本です。佐々木先生による子育ての要諦は「過保護は良い、可能な限り子どもの満足を親がかなえてあげようとすることは子どもの現状を肯定することにもなる。子どもは自分が良いものとして育てられるので自立心、自尊心のある子に育っていく。しかし、過干渉はいけない。子どもがやりたいことをやらせないで親がしてしまう、子どもがやりたくないことを親がさせてしまうのは子どもの現状を否定していることになる。このように育てられた子は自分っていいなぁという感情、自己肯定感が育まれないため健やかな成長が見込めなくなる」というものです。

 過保護と聞くと必ずも良いイメージがないかもしれません。甘やかして育てるといった印象があるようです。しかし、上記したように過保護と過干渉の違いをしっかりと認識して、大切なお子さんを自信を持って過保護に育て、自己肯定感のある子、自分って良いなと思いながら育つ子にしていきましょう。

 今月のテーマは「ゆったりと」となっています。8月は夏休み期間中ですから、ご家族とゆったりと過ごして欲しいという願いでしょうか。佐々木正美先生の言葉に『ぶったり、無視することは子どもたちを否定することですね。これは誰でもわかります。しかし否定とはそれだけではありません。子どもの個性を認めない。「早く!」と言い続ける。あるいは「もっと、もっと」と過剰に期待をする。そういったことも否定です。子どもは、自分が否定されていると感じます。』とあります。親としては子どもに期待することが大きくもあり、結果として子どもをせかしたり、短所ばかりに目が行き怒ってばかりということもあるかもしれません。ゆったりとした気持ちになって、子どもの良いところに目が行くようになれるといいですね。

 さて、いよいよ、2学期が始まります。行事も多くあり、子どもたちにはやらなければならないことがたくさんあります。しかし、やらされてその行事の日を迎えるのではなく、やりたいことをやった結果としてその行事を迎えられるように教職員一同が力を合わせてまいります。保護者の皆様にも引き続き、多くのご理解とご協力をいただくことになります。どうぞよろしくお願いします。