園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2017年 5月 見つける

                        園長 佐 竹 和 平 
 現在行われている幼稚園教育要領の改訂は前回の改定から10年が経ち、この間、社会の環境、子どもたちの置かれている環境が大きく変化しており、且つ、その変化はこれからも進むであろうことを見越しての改定となります。幼児教育のみならず小学校、中学校、高校、大学の教育要領も改訂していこうというもので大掛かりな教育改革となります。その狙いは幼児期の教育からその質を高め、成長と共に多くの能力(21世紀型能力)を身につけ、「生きる力」を持つ人、社会に貢献できる人材を育てようということになるようです。

 教育要領の中では、小学校入学前までに育ってほしい姿として、10項目が挙げられています。
  ①健康な心と体 
  ②自立心 
  ③協同性 
  ④道徳性・規範意識の芽生え 
  ⑤社会生活との関わり 
  ⑥思考力の芽生え 
  ⑦自然との関わり・生命尊重 
  ⑧数量・図形、文字等への関心・感覚 
  ⑨言葉による伝え合い 
  ⑩豊かな感性と表現 
これらのものが幼稚園生活の中で育まれるべきものとされています。

 このような成長をするために教師のあるべき姿として「教師は幼児との信頼関係を十分に築き、幼児が身近な環境に主体的に関わり、環境との関わり方や意味に気づき、これらを取り込もうとして、試行錯誤したり、考えたりするようになる幼児期の教育における見方、考え方を生かし、幼児と共によりよい教育環境を創造するように努める。」と新しい教育要領には記るされています。(太字部分が今回の改正で追記されたもの)

 5月のカリキュラムのテーマは「見つける」となっています。少しずつ慣れてきた幼稚園生活の中で子どもたちはいろんなものを見つけています。楽しい先生、遊んでくれる先生、優しい先生を見つけます。気のあう友だちを見つけますし、気の合わない友だちも見つけます。好きな遊び、好きな場所を見つけます。良いもの、悪いもの、いろんなものを主体的に見つけるその経験が子どもの成長に大切なのです。大人が先回りして“見つけさせる”ような環境をつくる、先に答えを伝えるのではなく、子どもが主体的に“見つける”ことができる環境を大切にする月となります。

 子どもの幼稚園生活もいよいよ深まってきた感のある5月です。保護者の皆様の活動も活発になります。お子さんのみならず保護者の皆様も幼稚園でいろんなものを見つけて、楽しく過ごされるよう願っています。