園だより 園長からのメッセージ

毎月、発行している園だより 園長からのメッセージ

2014年 3月 喜びにみちて

喜びにみちて               園長 佐 竹 和 平 

 年度末を迎え園長としては保護者の皆様や教職員には〝許しを請う″様な気持ちにもなります。自分の至らなさから迷惑をかけ、不快にさせてしまったりしたことがあったのではという思いからです。〝お許しください!″という思いを持つ一方で、自分自身は人のことを許していないことがあることに気づかされます。自分は人を許すことが出来ないでいるのに、人には許してもらおうと願うのですから自分(人間)はなんて自己中心的なのでしょうか。

 国同士の争いや人と人との争いが毎日、ニュースで伝わってきます。〝許しあうこと″が足りないのが世の中なのでしょうか。イエス様は〝どこまでも相手を許しなさい、あなたの敵をも愛しなさい″と言っておられます。しかし、許すとはなんと難しいことでしょうか。敵を愛すなどはできるものではありません。

 ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さんの本「面倒だから、しよう」を読んでいたら「許す」ことについての記述があり興味深く読みました。渡辺さんが9歳の時に教育総監という国の要職を担っていた渡辺さんの父親は殺されました。1936年2月26日の朝、自宅に父親と一緒にいた渡辺さん。その父親のところに陸軍の青年将校と兵士がやってきて機関銃で父親を目の前で惨殺して帰っていきました。226事件です。渡辺さんは成長の後、キリスト教の洗礼を受け、シスターとなりました。聖書の教えを忠実に守って生きようとしている渡辺さんでも父親を殺した人たちを許すことは難しいと言っておられます。しかし、「許せない相手(敵)だとしても、せめて、相手の不幸を願わないことを心に留めて生きたい。」と考えるようにしたそうです。大いに納得しました。いつまでも相手のことを責めていても、恨んでいても相手は良い方には変わりません。自分自身の考え方を変えないと、相手との関係は良い方に変わりませんからね。

 3月のカリキュラムのテーマは「喜びにみちて」です。保護者の皆様の暖かいご理解とご協力もあって、子どもたちの幼稚園生活が喜びにみちて送られていることに感謝です。喜びにみちた一日一日の積み重ねで今日があります。幼稚園で過ごしたお子さんの年月に思いをはせると、できなかったことが出来るようになった成長の時でもあり喜びをもって受け入れておられる保護者も多いことでしょう。保護者、教職員も一緒になって子どもの成長を喜びあいたいと思います。そして、子どもたちにはこれからも出来るようになることの喜びを味わいながら成長をしていって欲しいと願います。3月が終われば喜びにみちた4月がやってまいります。なんという素晴らしいことでしょうか。
喜びにみちた素晴らしい一日一日に感謝しつつ過ごして参りたいと思います。