3000万の格差 園長 佐竹 和平
生まれてから3歳になるまでの間にたくさん言葉をかけられた子どもと、そうでなかった子どもの、そのかけられた言葉の数の格差が3000万語というのです。3000万語多く声をかけられて育った子どもはその後の成長において、そうでない子どもと比較して豊富な語彙力を保持するようになるということです。語彙力があるということはそのまま思考力、想像力、コミュニケーション能力、非認知能力の獲得につながります。3000万語の格差がつまりは人間力の格差につながるという、アメリカの調査研究結果です。
子どもが語彙を習得する能力の訓練期間としては3歳までが重要だから、この期間迄の調査結果が出ているのでしょう。しかし、語彙の習得は3歳以降もしていくことですから、もう、自分の子どもが3歳を過ぎているからとあきらめずに、今からでもたくさん言葉がけをしていくのがお子さんの成長にとっては大切なことということになります。
単に言葉をかける、子どもにとっては言葉が耳に入るということなら、テレビとかスマホの動画でもよいことになります。しかし、そこも研究結果があって、大切なのは下記の3つで、その頭文字で3つのTとされています。
❶親のやり方、親のやらせたいことに子どもを寄せていくのではなく、子どもが興味を示していることに親が寄って行く。(Tune In)
❷たくさん話しかける。今、行っていることの実況でもいい。(Talk More)
❸会話のやりとり。なぜ?どうして?と応答を求める会話。(Take Turns)
格差社会などと言われますが、実際には情報の格差によって様々な格差が生まれているようなところもあります。この30000語の格差は親が知って実践するかどうかです。費用はかかりません。3歳未満、乳児ならなおさらですが、幼児に対してでもたくさんの声がけをしていきましょう。3つのTのほかに、話しかける内容としては、子どもの人格、人権を損なわないような声がけ、子どもを否定したり、急がせすぎたりしない言葉がけが大事な大前提にもなります。
目の前にいる大切なわが子に笑顔で明るい声でたくさん話しかけましょう。